世界がたとえ混沌と化しても、人はそこに順応して生きていく。
それは混沌都市でも同じことで、目の前の視点で見れば世界は混沌としているけれども、広い視点で見れば、それぞれがそれぞれに、混沌の中に日常を見出し、そしてそれを習慣づけ、そのサイクルの中で生きていく。
そんな新しい世界での生活サイクルが、ある程度定着し始めてきた頃には、平日や祝日といった概念も新しい形で定着をはじめ、この世界にも複数の祝日が重なり「ゴールデン・ウィーク」といった大型の連休を迎えることになる。
仕事をしているのか、遊んでいるのか、趣味を生きているのか、休んでいるのかよく分からない世界だが、それでも人々は大型の連休を機に、普段出かけないところへでかけたり、普段できないことをしたりと、様々な形で余暇を過ごすのだった。
5年後。いや、50年後かもしれない。
500年後だって、何らかの形で「ゴールデン・ウィーク」は残っているかもしれないが、「ゴールデン・ウィーク」を楽しむ人々は、例え500世紀経過してたとしても、それに気づくことの出来る人は少ないだろう。
あるいは私達の世界が、実は5分前に誕生して、過去の記憶もすべて5分間の間に作られていたとしても、自分自身でそれが真実だと思うことも無ければ、証明しようなどとも思わないだろう。
もし世界を外側から見つめることの出来る者がいれば、世界がどのように動いているかを、一目で理解できるかもしれないが、世界の内側に存在する私達にとって、それは限りない想像と、強い意志と、壊れない信じる心を必要とすることで、容易いことではない。
つまるところ、混沌都市では「ゴールデン・ウィーク」が何度も何度も繰り返されるというループ現象に何らかの理由で陥っていたが、それを証明できる者は、誰一人として存在していなかった。
しかし、それに感づいている者は、何人かいるかもしれない。
それは私達の世界で、幽霊が見えたり感じたりする「霊感」や「第六感」と近いような、希少な感覚かもしれない。
「ゴールデン・ウィーク」のループの中に居る人々の間では「デジャヴ」を感じることが、話題となっていた。あるいは「前世の記憶」。あるいは「輪廻転生」。
世界のループを証明できなくとも、意識的に、あるいは無意識的に、その現象を人々は感覚として捉えていた。
繊細な感性や、鋭い洞察力を持つ者であれば、あるいは時間と時空の概念に縛られない超越的な立場の者であれば、この違和感を、この謎を、この状況をなんとかしようと動き出すかもしれない。
探索者達の中にも、そんなことに気づける者が、一人か二人くらいはいるだろうか。
「ゴールデン・ウィーク」という大型の連休に心躍って満喫する中で、どこかちょっとした感じる違和感。あれ?これは前もあったような…。なんだか同じことを作業のように何回もやらされているような。見るもの聞くもののほとんどに新鮮味がなく、なんとなく結末が分かってしまうような。
そんな閉塞感にどこか虚しく、どこか焦りを感じ、どこか満たされず、それでいて表面上は楽しく明るく満喫して振舞っている自分を、だんだんと俯瞰して見ている、冷めた自分を自覚していくような感覚に、徐々に気づき始めてはいないだろうか?
何かをしなくてはならない。
何かに気づかなくてはならない。
それが何かは解らないけれど。
誰かに頼まれたわけでもないけれど。
誰かが困っているわけでもないけれど。
具体的に何かが起きたわけでもないけれど。
別に誰も困っていないからいいじゃないか。別に何も問題が起きているわけじゃないからいいじゃないか。
誰かに助けてっていわれたの?誰かにやれっていわれたの?
何のためにそんなことをするの?目的はなんなの?それをするとどういう意味があるの?
証拠は?論理は?仕組みは?理由は?
全部無い。
理由も、意味も、証拠も、論理も、誰かのためでも、何のためでも無い。
けれでも、心の内側には、漠然とした不安が、徐々に徐々に積み重なっていく。
何の問題も無い筈なのに。
だから知らなくてはならない。だから気づかなくてはならない。
この不安はなんなのか、このひっかかりはなんなのか。
誰に言われたわけでもないけれど、誰のためでもないけれど。
別に気にしなくても良い、このままで良いと思うなら、こんなことを忘れてずっと楽しい「ゴールデン・ウィーク」を楽しめばいい。
それは、とても幸せな選択肢だ。ずっと続く幸せな日々を永遠に享受できる幸せな選択肢だ。
でも、私は探索者だ。
探し索める(さがしもとめる)。それが私だ。この選択が幸せが終わってしまうと分かっていても、探し索めずにはいられないんだから、それはもう仕方のないものなんだろう。
駄目だって分かっていても、正気を減らして、破滅に向かって、未知なるものに惹き寄せられる性を持ってしまうからこそ、私は探索者だ。
知りたいんだ。幸せを望むよりも、この世界の謎を。
向かわずにはいられないんだ。安定した日常を望むよりも、混沌とした未知なる世界へ。
だから、この物語(シナリオ)は、私が始める物語(シナリオ)で、誰かのためじゃなく、私のための物語(シナリオ)だ。
さあ、そろそろ世界がループしている謎を調べに行こう。
GOLDEN GOAL END CIRCLE(ゴールデン・ゴール・エンド・サークル)。
「ゴールデン・ウィーク」の終わりを目指して。
シナリオ開始時、探索者達はすでに、ループを繰り返している「ゴールデン・ウィーク」の最中にある。まずは、探索者達が、本書の世界でどのような「ゴールデン・ウィーク」を過ごしているか、喋ってもらおう。次にKPは、探索者達が「ゴールデン・ウィーク」を過ごす中で、しばしば強い「デジャヴ」を何度も感じるようになっていることを伝えること。さらに、混沌都市でも、「デジャヴ」の話題や「前世」「輪廻転生」など、過去の記憶や、記憶の再体験の話題がちらほら広がっている。
探索者達は、各々がバラバラに「ゴールデン・ウィーク」を過ごしているかもしれないが、そのような「デジャヴ」の現象に、自分以外の探索者達にも、そのようなことが起こっていないか気になっても不自然ではないはずだ。KPは、探索者達がバラバラに過ごしていたら、探索者達で集まって「デジャヴ」について、あれこれ談話する場へ誘導し、集合させること(場所はどこでも構わない)。
探索者達が集まり、適度に状況や話題を交換したら、探索者全員に<アイデア>を行わせる。
<アイデア>に成功した探索者のみが、「ゴールデン・ウィーク」がループしているのでは…?ということに気づくことができる。
<アイデア>に成功した探索者は、以下のいずれかのパーソナリティーを付与し、特に「デジャヴ」を何度も何度も強く感じている傾向があったようにすること。
・前に進もうとしているのに、何故か進めない強い閉塞感を感じている。
・似たようなことを、何度も作業のように繰り返している、虚しさや飽きを感じている。
・ゴールデン・ウィーク後に楽しみにしているイベントがあるが、体感でかなり長く待ち続けている気がする。
・やらなければならない事があるのに、ずっとやれていない焦燥感に襲われている。
・ゴールデン・ウィークを謳歌している人が、あやつり人形やロボットのように感じる。
<アイデア>の処理が終わったら、KPからプレイヤーに「探索者はこのループをどうしたいか」を尋ねて、ある程度意見を出させること。ある程度意見が出たら、KPはプレイヤーに、次の内容を尋ねること。
・探索者は「ループの原因を確かめたい」か「ループから抜け出したい」、どちらの気持ちの方が強い?
そして、どちらか片方を選ぶ必要があり、選ぶことによってルート分岐が発生することを伝えること。
どちらのルートを選んでも、シナリオをクリアすることはできるが、得られる内容や、知ることの出来る内容が違うことを伝えること。スムーズにクリアできた場合、選ばなかった方の内容は得られないし、知ることもできないままシナリオクリアとなることを伝えること。
「ループの原因を確かめたい」を選べば「科学ルート」になり、「ループから抜け出したい」を選べば「魔術ルート」になる。
また、どちらか片方のルートに失敗した場合、もう一方のルートに挑戦することができる。
「ゴールデン・ウィーク」のループの原因は、「ゴールデン・ウィーク」の前日に、「黄大仙祠」に住む魔法少年「黄初平(ウォン・チュウピン)」が、「ゴールデン・ウィークを永遠に終わらないようにしてほしい」と願う人々の気持ちを汲んで、善意でループの魔術という高度な魔術に挑戦したため起きている。「ゴールデン・ウィーク」の最終日、23時59分を越えると、記憶や出来事が全てリセットされ、「ゴールデン・ウィーク」初日の0時00分まで戻る。しかし、リセットされているはずの記憶や出来事が、ループを何回も繰り返すことで、ループの概念を超えて脳に刷り込まれ、それを知覚できる一定の人々の中で「デジャヴ」という現象を起こすようになっている。また、ループの魔術を行った「黄初平(ウォン・チュウピン)」は、高度な魔術に挑戦した際の不具合、あるいは副作用、あるいは代償により、ループの最中での彼からは、ループの魔術の記憶が無くなってしまっている。
探索者がループの原因について聞き込みをすると、探索者と同じように、この世界がループしていると仮説を立てて研究を行っている頭のおかしな科学者「ハーリィ・ウェイン」が、九龍(クーロン)の旺角(モンコック)「界限街(バウンダリー・ストリート)」の科学工場に居るという情報を得ることが出来る。
「界限街(バウンダリー・ストリート)」の科学工場に赴くと、そこは建てられてから何十年も経過しているような、廃墟の趣があるほどの工場で、学校の体育館程度の大きさがある。トラックなどが搬入出来る錆びついた大きな引き戸があり、それを開けて中に入ると、研究中のハーリィと会うことができる。
彼はループについて何やら4つの巨大なコイルのような機械を用いて研究をしているが、これまで他の人々に頭がおかしいという扱いを受けてきた天才であるため、工場に入ってきた探索者達を快く思っていない。彼から話を聞いたり、協力してもらうには、何らかの交渉技能に成功するか、真摯なロールプレイで探索者の事情を説明して、理解を求める必要がある。
技能判定かロールプレイが無事成功すれば、ハーリィは量子の研究を行っていて、そのメカニズムを利用して過去に戻り、ループが起こった原因を解決しようとしているということを教えてくれる。量子がそもそもどういうもので、それをどうすれば過去に戻ることが出来るかは、ハイゼンベルグの不確定性原理や、多元宇宙論を解釈できるKPであれば説明しても構わないが、単純にややこしいし、面倒で冗長になるので、量子でタイムトラベルが出来るくらいの認識で構わないだろう。
ハーリィはすでに研究で、量子を用いて過去に行ける装置を作り出していたが、その機械は実際に過去に行く人と、機械を操作する人、最低でも二人以上は必要なため、問題を解決できないでいた。自分が機械を操作するので、探索者達に過去に赴いて、ループの原因を突き止めてほしいと、ハーリィは協力を依頼する。
ちなみに、この機械は<機械修理><電気修理><電子工学><物理学><天文学><生物学><歴史><コンピューター><追跡><ナビゲート>を、全て80%以上持つ者であれば、誰でも操作することができる。
ハーリィと協力関係を結ぶと、タイムトラベルした直後はちょっとした体調不良が起こることと、「ゴールデン・ウィーク」のループの原因を突き止めること以外に関わると、どうなるか予測がつかないため、目的と関係のないことをしないよう、注意を促される。
そして、4つの巨大なコイルのような機械が交差する中央に立つよう案内され、彼が機械を操作すると、巨大な4つのコイルが回転しながら目も眩まんばかりの光と電撃を放ち、探索者達は「ゴールデン・ウィーク」の一日前へと、瞬時にタイムトラベルする。
タイムトラベルした先は、九龍(クーロン)のどこか人目につかぬ路地裏。探索者は<CON×5>の判定を行い、失敗したのであれば、タイムトラベルの体調不良により、1D3のダメージと1D3の正気度喪失を行う。
タイムトラベルした先の状況は、単純に「ゴールデン・ウィーク」に入る前の日というだけで、それ以外はタイムトラベル前と、大した違いはない。また、探索者が「ゴールデン・ウィーク」のループを解決するという目的以外の行動をとっても、例えば過去の自分を殺害してしまうと現在の自分も消えてしまうという、一般的に「タイムパラドックス」と呼ばれる行動をとっても、本シナリオでは量子論による並行世界のタイムトラベルを行っているため「タイムパラドックス」は起こらない。しかし、なんらかの行動により、事態の収拾がつかなくなった場合、ハーリィにより強制的に戻されると同時にハーリィの信用を失い、「科学ルート」のシナリオは失敗となる。
タイムトラベルした先では、まだループは起こっていないため、聞き込みをしてもループ現象そのものについての情報は得られないが、ループや「ゴールデン・ウィーク」について聞き込みを行うことで、九龍(クーロン)の黄大仙(ウォンタイシン)にある、「全ての願いが叶う寺」というふれこみの「黄大仙祠」に、「ゴールデン・ウィークを永遠に終わらないようにしてほしい」と願う人々が集まり、「黄大仙祠」に祀られている蓬莱人「黄初平(ウォン・チュウピン)」が、その願いを叶えるため、ループの魔術を行おうとしている、という情報を手に入れることが出来る。
「黄大仙祠」に赴くと、「黄初平(ウォン・チュウピン)」に会うことができる。彼に話を聞くと、人々の願いを叶えるために、善意でループの魔術という高度な魔術に挑戦しようとしていることを教えてくれる。彼の魔術こそが「ゴールデン・ウィーク」のループの原因であるのだが、ループ後に起こる探索者達の心の問題までは、まだ知る由もない。
彼の魔術を止めさせるには、彼に対し何らかの交渉技能を成功させる必要があるが、探索者達が未来からきて、ループによる問題が生じるという説明は、それ自体が曖昧でわかりにくいものであるため、技能成功率を-20%で判定を行う。
また、彼を力づくで止めようとすると、「黄大仙祠」に集まっている多くの人々によって阻まれてしまい、力づくでどうこうすることはできない。
彼への交渉が失敗した場合、ハーリィにより強制的に戻されると同時にハーリィの信用を失い、「科学ルート」のシナリオは失敗となる。また、戻ってきた後に、「黄初平(ウォン・チュウピン)」を訪ねることもできるが、そこでループの魔術について「黄初平(ウォン・チュウピン)」に聞いても、ループの最中に居る彼の記憶の中にループの魔術というものは存在せず、ループの最中の彼には何もできない。
タイムトラベルした先で、「黄初平(ウォン・チュウピン)」を無事説得することができれば、ループはそもそもなかったものとなり、探索者達は「ゴールデン・ウィーク」のループに突入することなく、「ゴールデン・ウィーク」を越えて、いつもの日常に戻ることが出来る。
探索者がループから抜け出すために聞き込みをすると、「世界の輪を閉ざす剣」を持つといわれる魔術師「エスカトス・ロプト」が、蓬莱(キサナドゥ)の「神仙の山」の頂上に居るという情報を得ることが出来る。
情報によると「エスカトス・ロプト」は「世界を終わらせる者」という異名を持ち、破滅や災厄を呼ぶ、邪悪なる魔術師として人々の噂の中でまことしやかにささやかれている。また「神仙の山」は、断崖絶壁の恐ろしい場所で、そこは魔物の巣窟となっている危険な場所であるらしい。
探索者が「神仙の山」に赴くと、そこは淀んだ空気の漂い、周囲にはカラスがギャアギャアと鳴く、沼地に囲まれた恐ろし気な山で、剣のようにそそり立つ山は、山というより、むしろ塔のような印象を受ける。
この山の頂上に辿り着くには、探索者のうち誰か一人が、<登攀>あるいは<跳躍>あるいは<ナビゲート>に、連続で三回成功する必要がある。一度失敗すると、足を滑らせて何メートルか落下し、1D6のダメージを負うが、再度の挑戦する度、判定の技能値に+10%ずつ加算しても良い。誰か一人が成功すれば、他の者は<登攀>あるいは<跳躍>あるいは<ナビゲート>に一回成功するだけで構わない。あるいは、先に登った者と、STRとSIZの抵抗ロールを行い、先に登った者のSTRが勝利すれば、登れたことにして構わない。
頂上に辿り着くと、まるで修験道の山伏か、仙人のような魔術師「エスカトス・ロプト」に出会うことが出来る。彼に「世界の輪を閉ざす剣」やループのことについて話すと、彼は「ゴールデン・ウィーク」がループしていることに気づいている。また、どんなに交渉技能を用いても、「世界の輪を閉ざす剣」は普通の人間が扱える代物ではないと言い、渡してはくれない。KPはプレイヤーに、「世界の輪を閉ざす剣」を手に入れるには、彼を倒す必要がある旨を伝えること。
「エスカトス・ロプト」から「世界の輪を閉ざす剣」を手に入れるには、彼と戦闘を行い勝利する必要がある。「エスカトス・ロプト」の耐久力は20。彼と戦闘に入ると、懐から淡く輝くブロードソードのような普遍的で西洋的な剣「世界の輪を閉ざす剣」を取り出す。彼は戦闘ラウンドで誰よりも早く動き「世界の輪を閉ざす剣」を使用する。「世界の輪を閉ざす剣」の成功率は99%で、探索者全員に1D3+3ダメージを与え、さらにダメージを受けた探索者のそのラウンドの行動を強制的に終わらせてしまう。探索者が「エスカトス・ロプト」に攻撃をするには、まずラウンドの最初に放たれる「世界の輪を閉ざす剣」を<回避>しなくてはならない。探索者の耐久力が少なくなり、この戦闘から離脱したい場合は、いつでも何の判定も無しに離脱することができる。しかし、探索者全員がその戦闘から離脱した場合、「エスカトス・ロプト」の姿はその場から消え、再挑戦することは出来ない。「魔術ルート」のシナリオは失敗となる。
「エスカトス・ロプト」を倒すと、彼は霧のように消え、光を失った「世界の輪を閉ざす剣」が残される。「世界の輪を閉ざす剣」は、そのまま持ち帰ることが出来るが、その場では特に何の効果も示さない普通の剣だ。「世界の輪を閉ざす剣」を持ち帰り、「ゴールデン・ウィーク」の最終日、日が変わる直前になると、その剣は淡く光りだす。光った状態の剣を掴み、振るうことで、その剣は強い光を放つとともに、霧のように消える。その後、探索者が時計などを確認することで、「ゴールデン・ウィーク」後の時間が刻まれていることを確認でき、同時にループから解放されたことも理解でき、いつもの日常に戻ることが出来る。
Illustrated by 接続設定 凡人は気づいてさえいない。僕の理論が君達に理解できるとでも?
クトゥルフ神話TRPG×ダブルクロス×アメコミ動画「アウトサイダーズ」の登場人物。本書の世界では、キザでいけ好かないニヒルな性格をしているとともに、天才的な頭脳と技術を持つが、一般人には全く理解することが出来ないため、周辺住民からは、廃墟の工場で怪しい研究をしている、危険なマッドサイエンティスト扱いされている。元々の性格とそのような状況で孤立しがちであるため、人当たりが悪く、あまり簡単に他人を信用しない。息を吐くように口から皮肉を吐き出す。
Illustrated by 接続設定 世界がどう混乱しようと私には関係無い。世界に飽きたら呼んでくれたまえ。
クトゥルフ神話TRPG動画「大正九頭竜」の登場人物。本書の世界では、あらゆる様々な現象を見渡せる超越的立場にありながら、超越的力を持ちながら、世界が良くなろうが悪くなろうが、我関せずありのままの動きを良しとする、徹底的な傍観者の立場を貫く。ナイアーラトテップと強く関わりの有る北欧神話の化身「ロキ」と関係し、「世界を終わらせる者」という異名を持つ。様々な神話のトリックスターと同様に、適度に世界を眺め、ある程度落ち着いてきたところで、世界に飽きたら一石を投じ、引っ掻き回して終わらせるという、実に迷惑な性質を持つ。