ライリー・オールドマンは英国の提督で、しかもレプリカントという存在だ。香港は英国統治によって発展したため、その名残りが多い。「クトゥルフ・バイ・ガスライト」に登場するような、19~20世紀の英国人でも、本書の世界を楽しめるだろう。また、医療テクノロジーなども進化した本書の世界なら、一度死んだ、あるいは作られたという設定の人物で楽しんでも面白いかもしれない。
咲かせてみせよう 深淵に枯れゆく徒花をかつて海戦で、類まれない才能を発揮したライリー・オールドマンは、混沌都市の英国軍に必要とされ、未来の医療テクノロジーにより、再びこの世に蘇る。そして、彼女には「戦犯の罪を償うため、英国軍の従順な兵士であれ」という使命が与えられたが、異論は無かった。何故なら、蘇った彼女は、かつての彼女と全く同じでは無く、記憶や経験が身体に残っていても、その意志や魂が全く同じというわけではなかったからだ。それよりも彼女には重大な問題があった。蘇ったその体は、通常の人間の何倍も速く老化するらしく、今の彼女に残された時間は、あまりにも少なかった。毎日、朝起きて、日に日に老いて醜くなる自分を見つめて思う。役割のためだけに使われ、枯れていく仇花を見て思う。見た目は関係ない。なればこそ、一瞬でも美しく咲いて見せようと彼女は誓った。
キャラクターイメージ参考引用:アズールレーン、ロボコップ、クトゥルフ・バイ・ガスライト